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昨年の12月20日に国土交通省自動車局において、
「バス運転者の確保及び育成に向けた検討会」
の初会合が行われたことを知っている人が、
果たしてどのくらいいるのだろうか?

ちなみに「赤旗」は、このニュースを取り上げていた。

現在、バスの運転士が全国的に不足しているという。

どうやら規制緩和の反動が起きたということらしい。

通常、規制緩和をすると、
これまでのパターンでは業者が乱立し、
それに伴って「運転士」の数も爆発的に増加して、
余ってどうしようもない状況になるのが通例。

このバス業界規制緩和策では
「認可制」から「許可制」にすることで、
「緑ナンバー」への登録規制緩和を行い、
また大型2種免許も教習所で「実技」を取得可能にした。
(普通MT免許所持で50万円~60万円程度という)
以前書いたツアーバスの話にもつながる。


これによりバス会社と運転士の数が増え、
業界内の競争が激化し市場の「適正価格化」が
達成できるものと思われた。


しかしそれが、どうも思惑通りに行かなかったらしい。

はて、どういうことかいな?と。

その後も、これといった打開策なくダラダラといたずらに
時間だけが過ぎていった・・・

結果として現在、
多くのバス会社が運転士不足による
安定したバスの運行確保が、
厳しい状況になっているとのこと。

そんな最中、3月3日早朝こんな事故が発生した。

仙台から金沢へ向かっていた宮城交通の高速夜行バスが、
北陸自動車道小矢部サービスエリア駐車場付近で、
停車中の大型トラック2台と衝突。
運転士と乗客の2名が死亡。
乗客23人と衝突されたトラックの運転手の24人が負傷して、
病院に搬送されたとの報道。


どうやらココのサービスエリアで
運転士交代ということだったのだが、
当時、運転をしていた運転士の居眠りあるいは
急病にて意識を失っての衝突事故だったようだ。

翌日の新聞では運転士は、
この日まで11日間の連続勤務で、
先月は3日しか休んでいなかったとの報道。

さらに、ココの労働組合は2週間に1日の休みで良いとする、
労使協定を会社側と結んでいたとの報道に世間は驚いた。

そりゃ事故も起きるわな・・・・と。

ところが、この手の業界の2ちゃんねるなりブログ等々の、
いわゆるバス系サイトを覗いてみると、
「11日連続なんて当たり前」というのが、もっぱらの意見。

この「世論」とのギャップは一体なんなんだろうかと。

答えは意外なところにあった。

それは、なんと労働基準法そのものにあった。

労働大臣告示「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」がそれ。

ここに「休日労働は2週間に1度の頻度でしかできません」とある。

一見するとよくわからないが、ひと呼吸おいて冷静に考えてみる・・・

労働基準法では1週間(7日間)において1日の休みを与えること。
とある。

つまり日曜日はお休み(業種によっては定休日をさす)ですよと。
これは皆さん寸刻承知済み。

しかし、これを逆に解釈すれば、
2週間連続勤務が可能ですよ!
ということを「お上」が法律で認めているというコトになる。

つまり11日間連続勤務なんて、
まったくもって「合法」であると。

そうやって解釈すると1ヶ月4週間として考えた場合。
2月に3日の休みというのは理屈的に合っている。

繰り返し書くと、
これは法律上至って「合法」であり、
まったくもって問題ナシ!ということになる。

これがバス業界の常識なのだ。

そして、この法律。
よく見ていくと非常に興味深い内容なのである。

「連続運転時間は4時間以内」なる記述。

4時間を経過直後に30分以上の休憩を確保することにより、
運転を中断しなければならないとある。

これも逆に解釈すると、
4時間もの長時間連続運転を「お上」が公認しているという事実。

さらに興味深いのは、
「ただし、運転開始後4時間以内に運転を中断する場合の休憩等については、
少なくとも1回につき10分以上とした上で分割することもできます」
ともある。

例えば「運転時間」を4時間とした場合。
1時間運転したら10分休憩し、再び1時間運転して10分休憩・・・
という形にすることも可能だという。

路線バスでいうと1時間往復したら10分休憩・・・
こういうダイヤを組むことができる。
いかにもありそうな話。

ところが、これはあくまでも「法律上」のはなしであって、
実際にはそうはいかないらしい。

例えば渋滞等によって遅れが生じた場合、
当然のことながら日本では休憩時間カットとなるのが常識。

そうなってしまうと連続運転時間云々もへったくりもナイ話で、
食事の時間を削ってでも運行を続けるコトとなる。
コレ日本の常識ナリ。

「労働基準法に抵触してしまいますので〇時〇分のバスは、
本日「運休」とさせていただきます」なんて話が、
社会通念上通るかどうか?という話だ。

答えはNO!

またバス会社にしても「運休」を出せば、
お上に運休報告として書類を作成しなければならないので、
たいがいの場合、
遅れは仕方ないから、とりあえず走って!
ということになると言われている。

間引き運転が恒常化しているとなれば、
「関東バス」がかつて運行停止処分を受けたような、
行政処分となってしまう可能性もあるので、
バス会社は遅れたら遅れっぱなしで、
そのまま運行を続けるのが通例とのこと。

結果としてダイヤが消滅してしまい、
回復が完全に不可能という状況になって、
ようやく「運休」という判断をするらしい。

むしろ間引きをして時間調整をした方が、
ダイヤが回復し易いとの指摘もあるが、
とにかく時代はクレーマー中心で成り立っている。
一旦、大渋滞が発生すると、
その後渋滞が完全に解消しても尚、
大幅な遅れで運行され続けてしまうのはそのためだ。

それこそ「予備のドライバー」がいて、
その予備のドライバーが「交代」すれば、
定時運行を確保することは可能だろう。

しかし全体が遅延状態となってしまった場合そうはいかない。
そもそも、人件費をカットし続けてきた業界なので、
そんなに大量に予備のドライバーを連日確保しておくこともできない。

すると、どうなるか?

連日、休みなく出勤している運転士が連続運転をする
「例の」図式が完成する。

これは規制緩和以降、
新規に出来たようなバス会社の話じゃナイ。
老舗の有名な大手バス会社ですら、ごく当たり前の話だという。
いや、日本中のほとんどのバス会社は現在こういう状況らしい。

というより「バス業界の常識」と書いた方がイイか。


バス労基の話を続ける。

第2条の条文。
(2)1日について(始業時間から起算して24時間の拘束時間は13時間を
 超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても
 1日についての拘束時間の限度は16時間とすること。
 とある。

(3)勤務終了後、継続8時間以上の休息期間を与えること。
 とある。

また15時間を超える拘束時間の回数は1週間で2回以内とすること。

・運転時間は2日を平均し1日当たり9時間、
 4週間を平均し1週間当たり40時間を超えないものとすること・・・


ヘヘヘ!こうやって書くと読むの嫌になってくるでしょう?(^^)

ほとんどの人は、こんな長文見ただけでウンザリするもんです。
それが当たり前。

ところが、コレを読んで「こりゃちょっとヘンじゃね?」と、
一読しただけ一発で気づいた人は大したもの!
相当に勘がイイ方です。

では、ここで問題。

1日は24時間である〇か×か?

答えは〇が正解。

1日は24時間なんですね。
言い方を変えると24時間しかナイと。
16時間の拘束時間と8時間の休息期間。
数字だけみると、まるで奴隷ですな。

それでは次に、
例の宮城交通のバス運転士募集要項をご覧頂きましょう。

勤務時間のトコをご覧いただきたい。
実働8時間(シフト制)とあるトコロ。


ここでチグハグな時間体系に、
ようやく気づいた人も出てくるころか・・・


拘束時間最大16時間で8時間の実働・・・。
そんなにムダに休憩時間があるんかいな?と。
1時間運転したら1時間休憩みたいな(笑)

そんなワケはナイのが答え。

拘束時間15時間を超えるようなダイヤの場合だと、
実際の実働時間は、おおむね10~12時間程度らしい。

つまり会社側がいう実働8時間に対し
残りの2~4時間というのが、
「残業時間」ということになるとのこと。

また、ほとんどのバス会社は現在、
拘束時間内において、
実際に運転した「実走時間」だけに対して、
給料が支払われるシステムを採用しているという。
したがって例え拘束時間といえど、
休憩中は「ノーギャラ扱い」となる。

トラック同様「走ってナンボ」の世界らしい。


「2日間を平均して9時間とする」と先ほど書いた。
ということは1日目12時間のダイヤをこなしたら、
2日目は6時間のダイヤをこなす。
これで2日平均9時間となる・・・・
そういう事か。

「勤務終了後8時間以上の休息期間を与える」と先ほど書いた。
例えば22時に勤務が終了した場合、
翌日6時の出勤を「法律」が認めている。
家での睡眠時間は如何程か?

そして実際に、こういうことが日常的に行われているという事実。

さらに詳しく観察していくと、
この勤務時間というのは「国土交通省」に対し、
提出登録してあるダイヤ上の時間であって、
例えば夜間工事などによる渋滞遅延で退社が遅くなったとしても、
翌日の出勤時刻もまた「国土交通省」に予め登録してある、
出社(出発)時刻故に、
定刻どおりで、ずれることはナイとのこと。
これも合法だという。

さらにさらに、この法律には労働基準法第36条が上乗せされる。
いわゆる「サブロク協定」と呼ばれる労使協定だ。
「2週間に1度の休みで良い・・・」というヤツにあたる。

これにより労働組合側自体で、
「例外を認める」というコトが加わることで、
事実上、単なる「お飾りザル法律」であることがわかる。

これでは、安全な運行は単に、
「運転士の使命感と性善説」頼みだけ。
ということにはならないだろうか?

では、そのバス運転士。
それだけ稼ぐんだから、さぞや給料もイイんでしょうね?
と思いきや、
これまた、この業界独特のシステムが存在することに驚く。

ネットの2ちゃんねるなどで、
〇〇バスは年収1000万円とか景気のイイ話が書いてある反面、
それとは真逆に年収400万円を切るなんて「悲鳴」をあげる、
運転士らしき人の書き込みも見受けられる・・・


中には同じ会社なのに給与体系や、
待遇面が入社時期ごとに、
極端に異なる所も存在する。

これは入社した年度で段階的に初任給格差をつけてきたことを意味している。

よく読めば年収1000万円とかいう人たちは、
高度成長期の、それこそ毎年1万円近い賃上げを経験した人たちだという。

しかし、こういう人たちは主に「団塊世代」の人たちばかりで、
団塊の世代が年々退職している昨今、
こういう人たちも早々いなくなるらしい。

バス業界でも不況により採用をしばらく見送っていた時期があった。

そして再び採用を再開した際、
新たに採用した運転士からは基本給含め見直して、
全く新しい給与体系で採用していくことになったとのこと。

それでも「不景気」といっては採用を見送り、
再び採用を再開するたび条件面が変わり、
やがて最初は社員採用ではなく
「契約社員」として安い給料で採用し、
成績、勤務態度次第で「社員登用」というシステムを、
どこのバス会社も導入・・・

こういうことを繰り返してきた経緯がある。

その都度、初任給はどんどん安くなっていき、

現在、ほとんどのバス会社は、
せいぜい短大・高専卒の初任給程度の金額で採用を行っている。
(16~18万円程度が平均的)
これとて実際には基本給10万プラス
職能給8万なんてトコがあるらしい。
となればボーナスや退職金に影響することは容易に察しがつく。

~26万円とあるのは残業代込みの意味。

となると仮に26万円と設定した場合、
16万円の初任給の人が、
8万円の残業代を稼ぎ出すには、
どんだけ実走しなければならないのか?と・・・・。

となると当然、
休日出勤しなければならなくなっていくワケで。

そうでなくともバス会社は現在、
慢性的な人出不足。

ならば給料を、もっと上げて人集めをするか・・・
とはならない(笑)

そう!給料を低くしておけば仕方ナシに皆働く。
働かないと生活が苦しいから休日出勤もする・・・
家族持ちで手取り14万程度では生活できない現実。

こうした負のスパイラルが、
この業界で現在起きているという。

そういうことがわかっているから、
なかなか人も集まらない。
長い拘束時間の割に「実入り」は薄いと・・・

そして給料がちょっとでもイイところ、
待遇がイイところへと人の移動が激しくなってしまう。

しかし、それでも経営者たちはイイと思っているらしい。

常に新しい人が入れ替わりで、
入ってくる方が人件費を安く抑えることが
できるからだ。

代わりの運転士などいくらでもいる…
こんな調子なのだろう。
それが結果として冒頭の話になると。

そして、
最近バス業界では「サービス向上」をやたらと謳い掲げたがる。
まぁ日本社会全体の話でもあるが・・・・


クタクタの運転士たちに更に「接客レベルの向上」を要求する。
そのためには、飲食店並みのモニター制度導入すらやってのける。

おかげでクレーマーが年々増え続けているという説もある。
「お客様は神様です!」と。

そして経営者たちは決まって
「あなた方はプロなんです!」と、
安っぽいコトバで鼓舞するらしい。

もうこうなると「安全は当たり前!」という
歪んだ勘違いが業界を闊歩しているとしか思えないのだが、
誰もそういうことを「ヘンだ!」と指摘しない不思議。

マスメディアも含めて。

まず法律からして「異常」なのに・・・


こんな与太話にうつつを抜かしている時間なんかなかろう。

これからは「自己責任の時代です」と、
かつて小泉純一郎は熱く語り、
それを多くの国民は熱狂的に支持した。

そう!今は自己責任の時代なのだ。

今後、バス業界のこうした体質が変わらない限り、
宮城交通の事故のようなバスによる大事故は、
増えることこそあれ、
減ることは希望的観測と言わざるを得ない。

だから皆、こういうコトくらい、
知っておかなければならない。
バスに乗る前に・・・







※今週のネタに関して、ネタ提供にご協力いただいた皆さんには、
 この場をお借りして御礼申し上げます。

 大変に貴重なご意見ばかりで参考にさせていただきましたが、
 この後、問題になるとマズいでしょうからイニシャルすら
  伏せさせていただいたことを、
 お詫び申し上げ、また感謝の言葉に代えさせていただきます
              潮風太子 m(_ _)m 
 



来週、ちょっと忙しそうなので更新できるかどうか・・・

ということで、また次回に!
























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